パリピの上位概念的な存在「フィクサー」とほぼ一致

最初に申し上げたように、彼らは人口比率こそ20代の3%前後と少ないですが、その上位層(とくに高収入で、経済状況が同程度の友人数が多い)は、トレンドの発信元や消費の発端となるインフルエンサー(大衆に影響を与える人)としての資質をもっています。彼らの消費志向を把握することは、世の若者トレンドを先んじて把握することと同じなのです。

私は2016年4月に『パリピ経済 パーティーピープルが市場を動かす』(新潮社)という著書で、かつて日本で仮装ハロウィンや自撮り棒を流行らせた若者のトレンドセッター(流行の仕掛け人)として、パリピ(パーティーピープル)と呼ばれる大学生たちの実態と流行の伝播についてまとめました。

同書ではパリピの上位概念的な存在として、帰国子女や私大の内部進学者、富裕層の子弟で構成される「フィクサー」と呼ばれるトレンド発祥クラスタにも言及しています。お気づきかもしれませんが、アクティブ・ミレニアルズの上位層は、インフルエンス力の高い「フィクサー」とほぼ一致しているのです。

マーケターは「一億総中流」という幻想を捨てよ

また、今回取り上げたアクティブ・ミレニアルズの親たちは、現在40~50代です。20年前に「格差社会」と騒がれたときに社会人となり、恵まれた環境で子供をもうけた人がほとんどです。つまりアクティブ・ミレニアルズとは、「格差社会」の第1世代の子供たちなのです。

彼らは、日本社会で始まった階層化の象徴です。いまはSNSで誰もがつながる時代ですが、彼らは「稼いでいない友達は、周囲にあまりいない」と言います。彼らは階層の上位におり、あくまで同じ階層の中で幅広い交際関係を築いているのです。

今後、日本企業には、こうした階層の「上澄み」に向けたマーケティングを行うことが求められるでしょう。それは「一億総中流」という幻想に縛られてきた日本のマーケティングにおいて、良くも悪くも新たな幕開けと言えるかもしれません。

原田 曜平(はらだ・ようへい)
サイバーエージェント次世代生活研究所 所長
1977年生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、博報堂に入社。ストラテジックプランニング局、博報堂生活総合研究所、研究開発局を経て、博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー。2018年12月よりサイバーエージェント次世代生活研究所・所長。2003年、JAAA広告賞・新人部門賞を受賞。著書に『平成トレンド史』『それ、なんで流行ってるの?』『新・オタク経済』などがある。2019年1月より渡辺プロダクションに所属し、現在、TBS「ひるおび」、フジテレビ「新週刊フジテレビ批評」、日本テレビ「バンキシャ」レギュラーとして出演中。
(構成=稲田豊史 写真=iStock.com)
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