▼親の家計破綻を防ぐために「帰省時にやるべきこと」
1.抜き打ち帰省をする
帰省を事前に言っておくと親も気構える。抜き打ちで帰省することで、家が乱雑に散らかっていたり、冷蔵庫のなかに「思わぬものが入っている」などの異常が発見できる。
2.保険証のコピーを冷蔵庫に
救急車を呼ぶような事態に備えて、介護保険証や健康保険証、診察券、お薬手帳などのコピーを冷蔵庫に入れておけば、救急隊員がすぐに発見でき、すぐに搬送・治療に取りかかれる。
3.介護保険証・介護費用見積もりをチェック
介護保険証に加え、サービスを利用しているなら「介護費用見積もり」もチェック。保険適用外のサービスがかさんでいないか確認する。これを機にケアマネジャーと話してみるのもいい。
4.実家近くの地域包括支援センターに行く
まずは訪問し、現状をざっくばらんに伝える。1度記録を残しておけば、突然の介護にも慌てない。対応が悪くても何度か訪問すれば、親身になってくれる相談員と巡り合うことができることも。
5.主治医と面談する
主治医から親の現状を聞いてみる。もし親が介護サービスを受けることを拒否している場合には、信頼関係がすでにできあがっている主治医から説得してもらうと効果的。
6.貸金庫を共同で借りる
親が貸金庫を借りている場合、親が死亡した後、開けるのに苦労する。自分が貸金庫を借りて親の貴重品を一緒に入れるようにすると、管理がしやすい。
子:「貸金庫借りたんだけど、スペースが余っているから、何か入れたいものがあったら、一緒に入れてあげるよ」
親:「あら、家に置いておくのも物騒だから、通帳と家の登記簿、入れてもらおうかしら」

7.火の元を電気に換える
認知症の場合、火のつけっぱなしや水道の閉め忘れがよく起こる。事故防止のため、コンロは電気を使ったIHヒーターが安心。一定時間で消えるガスコンロもあるので検討してみよう。
8.転倒箇所をチェックする
転倒からの骨折事故が寝たきりのきっかけになる。小さな段差など、つまずきやすい箇所をチェックし、予防対策を。段差の解消や手すりの設置などには介護保険が利用できる。
藤川 太
ファイナンシャルプランナー
生活デザイン代表取締役。2001年に家計の見直し相談センターを設立以来、2万世帯を超える家計診断を行ってきた。著書多数。
 

おちとよこ
ジャーナリスト
作家、高齢問題研究家。介護や医療・教育・子育て、それにまつわる女性問題を中心に執筆。『一人でもだいじょうぶ 仕事を辞めずに介護する』(日本評論社)など著書多数。
 
(撮影=加藤ゆき)
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