50近くでも人間的に成長しない“中年ガキ”の顔

『東京スポーツ』(5月3日付)によれば、事件が報道される前日にも、事件のきっかけを作ったNHKの『Rの法則』の収録に出ていたという。記事では「NHK関係者」の発言としてこう書かれている。

「その場には希望に満ちたNHKの新入局員たちが見学に訪れていたんですが、収録を終えた山口は新入局員一人ひとりと笑顔で握手しながら『早く偉くなって僕を使ってね!』とお願いしていた。この時を振り返った新入局員たちは『番組で共演者とあんな問題を起こしていたのに……』『信じられない』『怖い』とショックを受けている」

山口は謝罪会見後にもおかしな動きをした。TOKIOの4人に土下座して謝り、「退職届」を渡していたのだ。

事務所に出すべきものを、仲間に渡してどうする。ここにも、事件の重大さに思いが至らず、50近くになっても人間的に成長しない“中年ガキ”の顔がのぞいた。

「TOKIOに戻りたい」と無邪気に甘えれば、これまで同様、メンバーやファンたちが何とかしてくれると考えたのだろう。

メンバーには切ることも許すこともできはしない

さすがにTOKIOの他のメンバーから、「裏切り」「復帰はあり得ない」「そんな甘えた言葉は聞きたくなかった」という批判の声が出た。だが、この4人も、言外に「山口に戻ってもらいたい」という甘えの構造から抜け出てはいなかった。

何でもいいから謝れ、頭を下げろ、涙を流せ。そう事務所からいわれて、十分な話し合いもないまま会見を開いたのが見え見えだった。無理もない。彼らには、山口を切ることも許すこともできはしないのだから。

もう一度いう。山口とともに謝罪すべきは喜多川姉弟である。高齢であるというのは理由にならない。

不祥事やスキャンダルが出ると、自分たちは影に隠れて、当人たちを操りテレビでさらし者にするのが、ジャニーズ事務所の危機管理のやり方である。

年端もいかない若者たちを集め、歌えない踊れないのを数でごまかし、アイドルグループに仕立て上げる。寝る間もないほどカネを稼ぐ操り人形にはするが、人間としてどう生きるべきかという教育を施してこなかった。山口などはその悪い見本であろう。