病院の受け付け開始に合わせ始発バスを運行


空知川に沿って延びる赤平市内を1日7便運行するお買い物バス。会員であれば運賃は無料だ。始発便は隣接する市立病院の受け付け開始時間の午前8時30分に合わせて到着するため、マイカーを持っていない高齢者の利用が多い。

「赤平の再出店は、理事会でも反対の声がありました」とコープさっぽろ理事長の大見英明さんは語る。理事会の不安もやはり、将来的な購買人口の減少にあった。しかも赤平市の場合は、購買人口の53%が隣の滝川市に流れている。

しかし、商圏を広域化することと、赤平のまちづくりに貢献して地域の支持を得られるよう知恵を働かせることで、その問題はクリアできると大見さんは考えた。実際に、市が出店を歓迎していること、駅に近い中心市街地に用地を確保できたこと、その用地に隣接して市立病院があることなどの好材料もあった。とくに病院は過疎の町でも人の集まる場所で、通院ついでの買い物客が当て込める。

商圏は、赤平市に隣接する歌志内市、芦別市と砂川市の一部も含めると、人口にして2万5000~3万人の規模になる。赤平市の中核商業施設にとどまらず、同じように買い物が不便な周辺地域も取り込んでいく発想である。

そして、地域貢献での象徴的な工夫が買い物循環バスの運行だ。運賃無料で1日7便が運行されている。「高齢者が多いせいか、赤平市は車の保有率が低い。バスは車のない買い物客と、病院に通院する方の両方に利用してもらおうと考えました」と大見さんは話す。

買い物循環バスの運行は、地元のバス会社に委託して行っている。その委託費は年間1000万円ほど。病院通院者の便宜を図るため、朝一便の到着時間を午前9時開店の前、病院の受け付け開始の8時30分に合わせた。これが好評で、運行区間を延ばしてほしいとの要望が寄せられるまでになった。

ある意味で買い物循環バスは、公共サービス的な機能を果たしているわけだが、「これからの店舗経営にはまちづくりの発想が必要」と大見さんは強調する。

「欧米の都市再生では、スラム化した中心市街地に商業施設を据えて、町を活性化させる方策が以前から用いられています。私たちがやろうとしているのもそれ。人が集まる場所ができれば、過疎化も抑えられる。地元と一緒に町を再生させたい思いがあるんです」

(本田 匡=撮影)