会話のきっかけに「わかりみがすごい」
ステップ2●語尾が「み」ワード
・つらみ=辛(つら)い。「電車激混み、つらみ~」
・やばみ=ヤバイ。「起きたら始業時間の30分前。やばみ」
・さびしみ=寂しい。「彼氏が転勤で遠距離に。さびしみ」
・うれしみ=うれしい。「旦那が単身赴任に。うれしみ」
・わかりみ=わかりやすい。「この資料はわかりみがすごい」
ステップ2で紹介した「語尾が『み』ワード」は、18年版に登場する比較的新しい表現で、かわいらしさや優しさを表すためにつける。シニアディレクターで前編集長の清水均氏によると「このワードが特徴的なのは、女性だけでなく若い男性も使っていることです。脱毛や肌のケアをする『美容男子』も増えていますから、いまはかわいくふるまいたいと思う男性も多い。流行り言葉も中性的になっていると思います」。
もしも単調な資料作成に嫌気がさしていそうな女性社員がいたら、「君の作ってくれた資料のわかりみがすごいと、会議でも評判だったよ」などと褒めつつ、会話してみてはいかがだろう。17年版では語尾に「たん」をつけた「かわたん(かわいい)、つらたん(つらい)」が掲載されており、このバージョンも若い男性でも用いるそう。
語尾を「み」にするだけなら意味は推測できそうだが、ステップ3で紹介した「4文字短縮」「超短縮」のSNSワードは、ぐっと難易度があがる。
メールで報告がきたら「り」
「短縮言葉は昔から日本人が好んで使ってきました。『キムタク(木村拓哉)』『花金(花の金曜日)』『朝活(出勤前に朝活動すること)』など、4文字に短縮するのが伝統的だったのですが、『了解』を『りょ』『り』と表現するなど、SNSで打ち返しやすいよう、最近はさらに短くなっています」(清水さん)
SNSの画面上のやりとりはスピード感があるために、新しい言葉が生まれやすいのだという。なんでもメールで報告してくる部下がいたら、「り」と返してみては。
「ちな」(みに)、話し言葉の場合は、広がり始めてから5~6年かかって定着するか、消えていくかだという。
ステップ3●「4文字短縮「」超短縮」のSNSワード
・ぜんつま=全然つまらないの意。「会議ぜんつま」
・メンヘラ=2ちゃんねるのメンタルヘルス板にいるような、精神的に病んでいる人。「帰宅電車でメンヘラに絡まれた」
・しごおわ=仕事終わったの意。高校、大学生は「バおわ」=バイト終わった。
・り/りょ=了解の意。「本日直行します」「り」
・ちな=ちなみにの意。「ちな虎」=ちなみにタイガースファン。
「『ほぼほぼ』『なるはやで』『巻きで』なんて言葉はもう定着しましたよね」(大塚さん)。ステップ3のワードを使いこなせるようになれば、「神ってる(神がかっていること。昨年流行語大賞をとった言葉)」と絶賛されるかもしれない。
こうして見ていくと、バブル期に「ナウい」「マブい」「ごっつ」などの言葉が流行ったのと同じようなもので、若者言葉を恐れることはなにもない。ここに載せたワードも、あと数年後に一般的に使われるようになる可能性も大いにある。