(1)「意味をずーっと探すから、世界が重苦しくなるんだよ」

「あれこれと考え、物事に意味付けすることを、タモリは否定します。意味に束縛され、生き方が制約されてしまうからです」(戸部田さん)。そうした考え方が端的に表れているのが、タモリが父とも恩人とも仰いだ漫画家、赤塚不二夫への弔辞だ。

「あなたの考えは、すべての出来事、存在をあるがままに前向きに肯定し、受け入れることです。それによって人間は重苦しい意味の世界から解放され、軽やかになり、また、時間は前後関係を断ち放たれて、そのとき、その場が異様に明るく感じられます。この考えをあなたは見事にひと言で言い表しています。すなわち『これでいいのだ』と

ビジネスパーソンの人生は山あり、谷ありだ。時には、不本意な異動があるかもしれない。だが、「左遷しやがって」と上司を恨んだり、「出世はもう無理だ」と落胆したりしても、何も始まらない。それなら、「これでいいのだ」と現実を受け入れて、明日から何をすべきかを考えたい。

(2)「やったことはすぐ忘れる。それが大事」

タモリは挫折して落ち込んでも、すぐに立ち直る。「こんなつまらないことにこだわっていたのか」と気づくと、かえって楽になるからで、「同時に、打たれ強くもなる」という。

人間にとって一番恥ずかしいことは立派になることだと、タモリは揶揄しています。世間では、反省したり、夢や目標を持ったりするのが『立派な人間』です。しかし、反省したところで、同じ状況が2度と起こるはずはないし、夢や目標が実現できなければ、自分を責めることになり、絶望にもつながる。それだけ弊害が大きいわけです」(同)

仕事の失敗も同じで、「後悔、先に立たず」だ。「次の仕事で取り返せばいい」と、気持ちを切り替えよう。