仕事と人生の質は、側に置く人で決まる

「最善の方法は、情熱的な人々の中に身を置くこと。無理だと思うことをやり遂げる 1番の早道は、既に成し遂げている人たちの中にいることです」

スポーツ心理学者のノーマン・トリプレットは、競輪選手の集団内と単独での、周回時間を測定。その結果、単独で走るよりも数人と競争して走った方が、常に良いタイムが出ることを証明した。その後、エール大学のエドワード・スクリプチャーがランナーに関して、ピストル音の刺激や自分が走るべきトラックがあるほうが速く走れるといった実験をほどこしている。つまり、周りから刺激があったほうが常により前進できるわけだ。

どこにいるかは自分が決められ、自分でコントロールできるものだ。もう一歩先に進むために刺激を与えてくれる人の中に飛び込むことは、自分を大きくするための近道になる。そして、わざわざ「お前には無理だ」という人、引きずり下ろそうとする人から離れることは、自分の意思で可能なはず。

“なりたい自分”にたどり着くために、どんな形でどのくらいの大きさいになりたいのかを見極めなければならない。これこそが、仕事の生産性を高め、人生のクオリティを上げるための手段だ。

その土台として必要なのが「探し物が何か」を知ることというわけだ。

それを理解しないことには、自分がどこに身を置き、どんな人になりたいかを考えて、目標を導き出すことはできない。そしてうまくいかないときには、もう一度環境を吟味することが大切なのだ。池に入れられた金魚とは違って、私たちには自分の居場所を決める自由がある。池に飛び込むこともできれば、這い上がることだって可能だ。

自分に選択肢がないと思えるときでも、本当はそこにいることを決めているのは自分かもしれない。たとえ勘違いでも、周りにあわせて大きくなれるのであれば、ぜひそこに身を投じたいものだ。これで仕事も人生もクオリティをぐんとアップさせられそうだ。

[脚注・参考資料]
Scott Dinsmore, How to find work you love , TED Sep 2015

関連記事
常に自分より優れた人間とつき合う努力をしているか
世界のエリートは利害を超えた「つながり」に投資する
なぜ「できる人」より「好かれる人」が出世するのか
仕事力を伸ばす「自分の師匠」の探し方
なぜ多国籍の経営チームが最強なのか