築25年以上と古く、地元では誰も住まない物件
都内の物件を多く手掛ける不動産業者によれば、このようなセミナーにはいくつかの共通点があるという。
「最近、こうした投資セミナーが特に東京の六本木などの都心部で多く開かれています、これは業界内でもよく知られている話です。いずれも、東京都心部の物件などとても買えない、自身も“超都心”には住めないようなサラリーマンが対象ですが、会場を六本木など超都心に設定する事で、彼らの気持ちを高揚させ、購入につなげるよう設計されています」
セミナーでは、高収益物件として地方の一棟マンションなどの購入を薦めるが、いざ購入の段になると、セミナーごとに決まった地方銀行から融資を受けるよう、事が運ばれていくという。
では、肝心の投資先の物件はどんな物件なのか。実際にセミナーで薦められていた地方にあるマンションの地元の不動産業者に取材したところ、こんなコメントが得られた。
「セミナーで薦められていたマンションは、いずれも築25年以上と古く、地元では誰も住まないような物件ばかりです。なのに地元の特定の業者と結託して、6カ月だけの短期の賃借人をつけて、高い利回りがあるかのように装って販売していました。あんな物件を買っても、6カ月の短期賃借人はすぐに出て行ってしまうから、表面利回りは10%以上どころか、その半分にもなりません。地方では賃貸マンションの入居率は都会よりずっと低いので、こんな物件の入居者を見つけるのは至難の業です」
さらに地方の古い物件は床面積も都市部の同じ値段の物件と比べてずっと広く、修繕・維持費が非常に高くつく。そのため、実質的な利回りはさらに低くなるのが一般的だ。
「こんな物件をオススメ物件として推薦しているのですから、呆れた話です」(同)
どうやら、かなり危ない代物のようだ。