3. 今、遺伝子解析を受けるならどれを選ぶべきか

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国内のDTC(一般向け)遺伝子検査でわかること、わからないこと

では最後に、ユーザーとして、利用する場合について考えよう。具体的にどの事業者を選べばいいのか。文末の『国内の主な一般向け遺伝子分析サービス』で挙げているなかでは、実績で選ぶのであれば、ジーンクエストかエバージーン。料金は前社のほうが高いが、その分調べる塩基の数は多い。将来的に遺伝子と病気の関係について新たな発見があった場合、調べる塩基の数が多いほうが有利だ。がんについては、後者が充実している。

今後はヤフー、DeNAといった大手IT企業がサービスを開始する予定だ。ヤフーは解析データと他のライフログを組み合わせたサービスが期待できる。DeNAは、調べる塩基の数が75万と多い割に3万円強という価格が魅力だ。自社でマイクロアレイや人員を用意していることに本気度が感じられる。

解析の結果は、ウェブで通知されるのが一般的だ。サービスの結果画面においては「あなたが△△になるリスクは3.8倍です」というように、確率的に表現している。「もっとはっきり言ってほしい」と思う人もいるかもしれない。しかし「確実に発症する」という情報の提供は医療行為にあたり、事業者は提供できない。アンジェリーナ・ジョリーが受けた乳がんリスク検査も医療機関以外では行われていない。

アフターフォローが充実している会社を選ぶのも重要だ。「問い合わせに備え、認定遺伝子カウンセラーなど専門知識を持つ人員の確保も重要だと考えている」(DeNAライフサイエンス・深澤優壽社長)。