中国に抜かれたとはいえ、日本は世界で3番目の経済大国である。しかし、いろいろなデータを紐解いていくと、日本人の幸福度は決して高くはないことがわかってくるのだ。「不機嫌」の正体を探ってみた。

国内から世界に目を転じてみよう。

図を拡大
図3 「客観的」幸福度世界ランキング(出所/国連開発計画「2011年版人間開発指数」)

公的機関による調査で、対象国の多いことからよく参考にされる指標の1つが国連開発計画の「人間開発指数(HDI)」。経済的な側面だけではなく、保健、教育、所得に関する国際比較可能な統計データに基づいて開発度合いを算出し、国別のランキングを行っている。11年の調査では187の国と地域がカバーされ、トップはノルウェー、最下位はコンゴ(図3)だった。日本は12位とトップテン入りを逃したものの、確かに上位につけている。