5000人以上の日本兵がコレラで死亡した
日清戦争における伝染病といえば、当時第二軍軍医部長を務めていた森林太郎(鷗外)が、軍内で多発した脚気を細菌感染によるものであると主張したことは有名だ。
実際には栄養の偏った陸軍の兵食に原因があった。だが、吉野が言った伝染病はこれではない。日清戦争で多くの日本兵を死に追いやった細菌は、当時満洲で猛威を振るっていたコレラだ。
インドのベンガル地方を発現地とするコレラは代表的な経口感染症のひとつで、コレラ菌に汚染された水や食物をとることで感染する。通常1日以内の潜伏期間で発症し、激しい下痢が続き脱水症状を招く。さらにひどくなると血圧の低下、意識消失、低カリウム血症による痙攣などを引き起こし、最悪の場合死に至る(「コレラ」、国立健康危機管理研究機構ホームページ)。
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