②「効果が感じられない」ジレンマ
上司が1on1について抱える困りごとの3位、そして部下にとっては1位が「面談の効果が感じられない」ことでした(図表1)。時間をかけて部下と向き合っているのに、一向に手応えがない。部下もまた、「これって、意味あるのかな……」と疑問を抱いている。この「効果が感じられない」というジレンマが、上司をさらなる試行錯誤へと駆り立てます。どうすれば効果が出るのかと模索する中で、さらに時間や頻度をかけることに終始してしまうケースも少なくありません。
③組織のコミットメントやサポートが不足し、孤軍奮闘
「人材育成を重視する組織風土をつくる」「上司の主な役割として部下の育成を位置づける」――。これらは、調査の結果(図表2)から、上司と部下が共に、1on1を改善するために最も必要だと感じていることです。しかし、多くの組織では、人材育成が個々の上司の「奮闘」に委ねられており、組織としての明確なコミットメントやサポートが不足しています。上司が一人で部下育成を担おうと奮闘した結果、1on1に過度に偏ってしまう可能性が考えられます。
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