「資産の分散」に加え「時間の分散」も

(PIXTA=写真)

一方の「時間の分散」は、投資資金を毎月一定額ずつ投資することで価格変動リスクを抑えるために行います。たとえば100万円を投資する場合に、一気に100万円を投資するのではなく、毎月10万円ずつ10カ月かけて投資します。月によって値動きがあるものの、取引価格が下がればそのぶん購入数が増えるため、結果として投資簿価を低く抑えることができるのです。

時間を分散させる際のポイントは、投資時期を毎月の同じ日に決めておくことです。たとえば、毎月20日なら20日と決めておきます。そうしないと、相場のタイミングを図ろうとして、かえって高値づかみをすることになりかねないからです。

毎月の投資が面倒ならば、毎月一定額を買い付ける「積み立て」を利用する方法もあります。

「安く買って、高く売る」のが投資の鉄則ですが、投資家の心理としては相場の下落時に売り、上昇時に買ってしまうものです。しかし、投資のタイミングを気にせず買うことで、結果的にベストな運用に近づけていくことができます。それが、自分の資産を減らさないための一番の防衛策になるはずです。

外貨建てで投資する場合、株式や債券自体の価格変動リスクに加えて、為替による変動リスクも考慮しなければなりません。これからさらに円高に進むのか、それとも円安に揺り戻すのか不透明な状況において、どのタイミングで投資を始めるべきか迷っている人にも分散投資の考え方は有効です。

分散投資によって価格変動のリスクを抑えられるのだから、いますぐにでも投資を始めることができます。