「餓えた子どもを助ける」ヒーローの誕生

追いつめられれば人間でもなんでも食べたくなる。だから漂流した人が餓えた時に死んだ人を食べるという話を聞いても、納得できるんだよね。少しずつ削って食べたそうですけれど。自分が餓える体験をしてみて、餓えるのがいかに辛いかよく分かりました。

日本に帰ってみても、その当時の昭和20年代は本当に食べるものがなかった。毎日食べていくのが大変な時代でした。戦争が終わって、アメリカのスーパーマンやスパイダーマン、いろんなヒーローがいっぱい出てきました。正義の味方だといって、どんどん人気が出た。ところが彼らは、餓えた人を助けに行くとか、そういうことは全然やらないのですね。

スーパーマンにもスパイダーマンにも敵対する悪い奴がいて、それをやっつけると正義が勝ったということになる。例えばウルトラマンは怪獣をやっつけます。怪獣は地球に害を与える奴だから、怪獣をやっつけると正義が勝ったということになる。

(やなせ たかし/Webオリジナル(外部転載))
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