長年、性暴力を専門としてきた角田由紀子弁護士が、被害者側に証拠を要求するこうした法の姿勢を「おかしい」とずっと訴え続けてきました。被害者に対し「もっと殴られてきなさい」と言っているのと同じだと。犯罪を成立させるためにはアザがあったり服が破けたりしていなければ成立しないということは、日本は性被害者に対し「あなたはまだやられ足りませんよ」って言っているも同然なのです。それも裁判官によって。

法の教科書には「女心の微妙さを考慮しろ」

有名な法律書で『注釈刑法(4)』(有斐閣:初版は昭和41年刊行)というものがあります。弁護士も刑法学者もみんなが読む法の教科書ですが、東京大学出身の所一彦教授が書いた有名な文言がその中にあります。