北極圏の国々で見られやすい「冬季うつ病」

2.日照不足によるセロトニン分泌の低下

梅雨時期は、曇りや雨の日が多く、日照時間が短くなります。太陽光を浴びる時間が減ると、脳内の神経伝達物質であるセロトニンの分泌が低下することが知られています。セロトニンは、精神安定作用や幸福感に関わる重要な物質であり、「幸せホルモン」とも呼ばれています。その分泌が不足すると、気分が落ち込んだり、不安を感じやすくなったり、睡眠の質が低下したりする可能性が指摘されています。

雨の日に傘を広げるビジネスパーソン
写真=iStock.com/miniseries
※写真はイメージです

季節性感情障害(冬季うつ病)は、冬の間日照時間が短い北極圏の国々で指摘されている日照不足による病気です。日本でも、東北地方の大学で、冬の間、朝に学生たちに明るくした食堂で食事を配布したら、配布に来ていた学生たちは来なかった学生たちよりも、気分的な落ち込みが少なかったという報告があります。