研究の種は「通学路」に
橋本龍之介くんの小学生時代の自由研究は、だいたい毎日の通学路で感じた「なんでだろう」から始まる。2年生のときの「発芽の力グランプリいちばん力持ちの植物は?」は、道端でアスファルトを押し上げて生えてきた草を見つけたのが出発点だ。翌年の「東京メトロ9路線157駅『どの駅のホームの風が最強か⁈』全部調べてみた‼」は、地下鉄の駅ごとに風の強さが違うことに気づいたのがきっかけだった。
「何か気になると、それをとことん調べてみたいというスイッチが入る感じでした。通学途中の坂道の滑り止め舗装や、ガードレールを研究したこともあります」と、母の佳世さんは言う。地下鉄駅の研究のときは、タイトル通り東京メトロ9路線の157駅をすべて現地調査。電車がホームに入ってくるときと出ていくときの風速を、小さな風速計で測定し、駅の構造との関係を考察した。龍之介くんいわく、木場駅の風が特に強く、お気に入りのページだそうだ。ディレクターとして働く佳世さんも、仕事の隙間時間を使ってすべての現地調査に付き合ったという。
「せっかくだから全部調べようと思いました」と龍之介くんが言えば、「大変でしたけど、せっかくだから親も一緒に楽しもうと(笑)」と佳世さんは言う。どうやら橋本家では、「せっかくだから」が魔法の言葉らしい。
出来上がったリポートは、写真や図版がふんだんに入った100ページ以上もの分厚いファイルに。第35回全国小・中学生作品コンクールで、地下鉄駅の研究は子どもの文化・教育研究所理事長賞を受賞。傾斜台を作って870回も実験を繰り返した滑り止め舗装の研究は、第36回同文部科学大臣賞を受賞した。さらに翌年の「発芽の力グランプリパートII」、翌々年の「最強のガードレールを作りたい!」は、いずれも東京都小学生科学展で東京都知事賞を受賞している。

参加費:無料
※スマホでもパソコンでも視聴可。
※アーカイブ配信あり。当日ご都合が悪くても後からご視聴いただけます。
配信方法:Zoomウェビナー
1部:「合格家庭に見る成績上昇の秘訣」
2部:「来年以降の入試はこう変わる! 注目校&10大ニュース」
3部:「広尾学園の教頭が考える『この夏、やっておいてほしいこと』」
登壇者:VAMOS富永雄輔さん、声の教育社後藤和浩さん、広尾学園植松久恵さん