研究の種は「通学路」に

橋本龍之介くんの小学生時代の自由研究は、だいたい毎日の通学路で感じた「なんでだろう」から始まる。2年生のときの「発芽の力グランプリいちばん力持ちの植物は?」は、道端でアスファルトを押し上げて生えてきた草を見つけたのが出発点だ。翌年の「東京メトロ9路線157駅『どの駅のホームの風が最強か⁈』全部調べてみた‼」は、地下鉄の駅ごとに風の強さが違うことに気づいたのがきっかけだった。

都立小石川中等教育学校 橋本龍之介くん
都立小石川中等教育学校 橋本龍之介くん
「世界一」を目指してクラウドファンディングに挑戦中
25年6月フランス・パリで開催されるモデルロケット国際大会に出場が決定。6月29日まで資金調達のクラウドファンディングを行う。

「何か気になると、それをとことん調べてみたいというスイッチが入る感じでした。通学途中の坂道の滑り止め舗装や、ガードレールを研究したこともあります」と、母の佳世さんは言う。地下鉄駅の研究のときは、タイトル通り東京メトロ9路線の157駅をすべて現地調査。電車がホームに入ってくるときと出ていくときの風速を、小さな風速計で測定し、駅の構造との関係を考察した。龍之介くんいわく、木場駅の風が特に強く、お気に入りのページだそうだ。ディレクターとして働く佳世さんも、仕事の隙間時間を使ってすべての現地調査に付き合ったという。

「せっかくだから全部調べようと思いました」と龍之介くんが言えば、「大変でしたけど、せっかくだから親も一緒に楽しもうと(笑)」と佳世さんは言う。どうやら橋本家では、「せっかくだから」が魔法の言葉らしい。

出来上がったリポートは、写真や図版がふんだんに入った100ページ以上もの分厚いファイルに。第35回全国小・中学生作品コンクールで、地下鉄駅の研究は子どもの文化・教育研究所理事長賞を受賞。傾斜台を作って870回も実験を繰り返した滑り止め舗装の研究は、第36回同文部科学大臣賞を受賞した。さらに翌年の「発芽の力グランプリパートII」、翌々年の「最強のガードレールを作りたい!」は、いずれも東京都小学生科学展で東京都知事賞を受賞している。

「全国小学生作品コンクール」で4年連続入賞。写真は第35回で受賞した研究リポート「東京メトロ 9路線157駅『どの駅のホームの風が最強か⁈』 全部調べてみた‼」。地下鉄のホームに吹く風に違いがあることに疑問をもち、157駅のホームで風速を測定・検証実験。木場駅の風が特に強く、お気に入りのページだという。
「全国小学生作品コンクール」で4年連続入賞。写真は第35回で受賞した研究リポート「東京メトロ 9路線157駅『どの駅のホームの風が最強か⁈』 全部調べてみた‼」。地下鉄のホームに吹く風に違いがあることに疑問をもち、157駅のホームで風速を測定・検証実験。
このほか『宇宙兄弟』(小山宙哉 講談社)全巻や『日本の歴史』(角川まんが学習シリーズ)、『でんじろう先生の科学は爆発だ おもしろ科学者大図鑑』(幻冬舎)などが本棚に並べられていた。
このほか『宇宙兄弟』(小山宙哉 講談社)全巻や『日本の歴史』(角川まんが学習シリーズ)、『でんじろう先生の科学は爆発だ おもしろ科学者大図鑑』(幻冬舎)などが本棚に並べられていた。
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プレジデントFamily中学受験部
日時:6月27日(金)19:00~21:00
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※スマホでもパソコンでも視聴可。
※アーカイブ配信あり。当日ご都合が悪くても後からご視聴いただけます。
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1部:「合格家庭に見る成績上昇の秘訣」
2部:「来年以降の入試はこう変わる! 注目校&10大ニュース」
3部:「広尾学園の教頭が考える『この夏、やっておいてほしいこと』」

登壇者:VAMOS富永雄輔さん、声の教育社後藤和浩さん、広尾学園植松久恵さん

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