50回を超えた昭和の天覧相撲

昭和天皇は幼少期から相撲に親しんでいた。天皇が大相撲を観戦することは「天覧相撲てんらんずもう」と呼ばれるが、昭和天皇による天覧相撲は生涯に51回にも及んでいる。そのうち40回は戦後のことだった。在位期間は62年に及んでいるが、毎年のように相撲観戦していたことになる。

1955年の戦後初めての天覧相撲では、「ひさしくも見ざりしすまひ(相撲)人びとと手をたたきつつ見るがたのしさ」という御製も残している。

戦前には、昭和天皇は国技館を訪れてはいない。宮城内や海軍の社交クラブであった水交社や陸軍の社交クラブであった偕行社で催された相撲を観戦していた。御製の「ひさしくも」は、戦争が激しくなった1938年以降、相撲観戦がかなわなかったことにふれたものだが、国民とともに相撲観戦が果たせたことは、昭和天皇にとって大きな喜びであったに違いない。