治療は抗菌薬の投与が基本

百日咳の治療は、マクロライド系抗菌薬を投与するのが基本です。クラリスロマイシン、アジスロマイシン、エリスロマイシンが選択されることが多いですが、小さい乳児では肥厚性幽門狭窄症を起こすことがあるので、エリスロマイシンは使われません。他に咳を軽くしたり鎮めたりする鎮咳薬や去痰薬が処方されることが多いです。

乳児が哺乳できなかったり、夜に眠れないほど咳がひどい場合は入院です。少し大きくなっても、咳で食欲がなく眠れなかったら、小児科に行きましょう。たまに「ここのクリニックでよくならないから」と違うところを転々とする親御さんがいますが、原因が百日咳だとわかっている場合は意味がありません。「通院しているのによくならない」と伝えて、同じ医療機関にいくのがいいでしょう。レントゲンを撮ったり大きな医療機関を紹介してくれたりするでしょう。脳症を疑うような症状が出たら救急車を呼びます。百日咳による脳症の場合も、他の脳症と同様に、意識障害、けいれん、異常行動、異常運動、無呼吸などの症状が現れます。

現在は第一選択薬であるマクロライド系抗菌薬に耐性のある百日咳菌が増えています。そのため、死亡例も出てしまいました(※1)。耐性菌が出るたびに、次々に別の抗菌薬で対抗するのは限界があります。ワクチンは耐性菌に対しても有効なので、百日咳対策においてもっとも効果的なのはワクチンなのです。