「預金が減る」のではなく「お金の価値が減る」

日本は年金積立金の一部を運用しており、その運用を担うのがGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)です。2024年末時点での運用資産は約246兆円にのぼります。GPIFは国内外の株式と債券に分散投資をしており、日経平均株価だけに依存するものではありません。つまり、株価が多少下がったからといって、公的年金がすぐに破綻することはないのです。

しかし、インフレは別です。たとえGPIFが運用でプラスを出しても、物価が上がれば、支給される年金の「実質価値」は減ってしまう。まさに“見えない損失”といったところです。

iDeCoや企業型DCなどの「私的年金」は、個人が自ら運用先を選ぶ仕組みになっていますが、そこで注意するべきは「リスク資産である株式に偏った投資」をしていないかどうか。年に3%の運用益が出ていても、インフレが年4%なら、実質的には1%損をしていることになりかねません。また1%の損どころか、元本割れのリスクにも注意が必要です。