日米地位協定の不平等

日米地位協定こそが日米間の不平等な関係の象徴として改正を声高に唱える点で、日本の左翼と右翼の間には共通項がある。だが、公務外で重大犯罪を犯した米兵の身柄を起訴前であっても米軍から日本警察当局へ引き渡しするなど、運用の改善を重ねてきた実態がある。それらを一顧だにせず見直し・改定にひたすら拘るのは、木を見て森を見ずではないか?

もっと言おう。日米地位協定の不平等に拘るのであれば、真の片務性は、東京が攻撃されたら米軍が救援に駆け付けることを当然視している日本が、ニューヨークがミサイルで撃たれたところで憲法上の制約により救援に行けません、と言い放ってきたことにある。何故そこを手当てしないのか?

現行安保条約では、アメリカは日本の防衛義務を負うが、日本が負っている義務はアメリカへの基地提供に限られる。だからこそ、基地提供に当たっての細目を定め、米軍が日本においてどのような待遇(特権、免除)を受けるかを規定する地位協定が必要になるのだ。すなわち、安保条約が上位にあって、地位協定は下位にある。下位の地位協定の「不平等性」だけを云々しても問題の解決にはならない。