「音楽はアーティスト自身の姿を表現していなければならない」

もちろん、「アイドルをアーティストと評価しないのは間違いだ」と、一方的に責めることはできない。「アイドル」の芸術性を批判したり、本質を疑ったりする背景には、彼/彼女たちの音楽性が誰かによって「作られた」もの、つまり「加工品」であるという概念が深く根ざしている。これらは、さほど長くない韓国のポピュラー音楽の歴史において、初期の頃から受け継がれてきた概念だ。

K-POPという音楽の芸術性に懐疑的な視点が向けられるのは、ポピュラー音楽を所属事務所やプロデューサーなどの「作り手」中心に分析する慣習があるためだ。重要視されるのは、「音楽は完全にアーティスト本来の姿を表現する。あるいはそうしなければならない」という「真正性(オーセンティシティー)」だ。

評論家たちは、芸術としてのポピュラー音楽にたいし、しばしば過度に厳しい姿勢を取ってきた。これは、音楽評論家の「ロッキズム(rockism)」、つまりロック中心主義と密接に関係している。