ベンチャースピリットという共通点

トライアルのビジネスモデルは、ある意味では低価格を実現するための仕組み作りに、愚直に没頭していることが特徴だと感じています。創成期からの自社物流による物流効率化へのあくなき追求、オリジナル商品開発への地道な努力、そしてレジカート(カートで買物しながらバーコードを読み込み、レジでは確認作業だけで通過できてしまう仕組み)に代表される、DXを駆使した省人化の取り組みなど、特徴的なチャレンジを数多く行っていますが、すべては消費者にどこよりも安く商品を提供するためだと言えます。

このようにビジネスモデルは全く異なる、PPIHとトライアルという2社が牽引するディスカウントストアですが、共通する点をあえて見つけるとすれば、ベンチャースピリットということかもしれません。チェーンストアの歴史もほぼ還暦を回った今の日本の小売業では、初期の創業経営者の多くが代替わりしている中、小売のカリスマ創業者は少なくなってきました。共に、今でも創業者が経営に参画しているPPIH、トライアルのベンチャースピリットこそ、今後の小売の発展には必要なのかもしれません。

様々なアイコンを乗せた矢印を指でなぞるビジネスマン
写真=iStock.com/Fasai Budkaew
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ナショナルブランドを他店より安く提供するオーケー

経済産業省の産業分類によれば、総売上に占める食品売上の割合が7割以上のスーパーを食品スーパーとしているのですが、こうした食品スーパーの中にも、食品ディスカウンターとも言うべき、価格訴求型のグループがあります。その代表格といえば、オーケーとロピアということになるのだと思います。首都圏の16号線の内側に集中展開し、2024年秋には大阪進出するオーケー、湘南の精肉店チェーンから発祥して今や全国展開を進めるロピア、共に本店を神奈川県(オーケーの発祥は大田区)においている両社ですが、そのビジネスモデルはかなり異なっています。