なぜ「毒母」にこんなにも優しいのか

一方、ノンフィクションで描かれているのは、やなせたかしの母にまつわる部分です。史実でも、夫と死に別れたやなせたかしの母は、彼が7歳の時に、再婚して家を出ていきます。「あんぱん」第3話でこの場面が描かれました。登美子は嵩と弟・千尋を残し、日傘をくるくる回しながら遠ざかっていきます。

実はこれと全く同じシーンが、やなせたかしの詩集『やなせたかしおとうとものがたり』(フレーベル館)内に登場します。