生マグロの特徴はモチモチした歯ごたえ

上田さんによれば、キハダの魅力は味だけではない。生で手に入りやすいマグロなので食感が抜群なのだ。キハダは相模湾などの近海でも豊漁の年があり、首都圏の鮮魚店やスーパーに生で出回ったりする。マグロは冷凍と生鮮の味の違いは大きい、と上田さん。

「特にキハダの冷凍は、口触りが羊羹のように味気ない。対して生は、モチモチと柔軟で、噛み進むと口中に絡みつくように広がり、そこから飲み下すときまで一連の心地良さがあるね。こうした特徴の身は、クロ(マグロ)やメバチのような濃い味ではくどくなる。つまり、キハダの美味さはキハダを以て代え難し、というわけだ」

この日にマルカマにあったのは、3日前に相模湾の定置網にかかって小田原漁港で水揚げされた46キロのキハダ。マルカマで解体されて、大きな塊ごとに脱気したビニール袋の中へ。それを氷水の中で熟成していた。もちろん、生だ。ぜひ買って食べたい。