そうしたら、新型コロナの緊急事態宣言が発令された。すぐにホームページをつくってもらって、鶏出汁の醤油らぁ麺3食入りを売り出した。それが爆発的にヒットした。用意した分だけ、どんどん売れていった。
今度は沼津で採用した人たちを、毎日迎えにいって湯河原に来てもらった。ららぽーとはコロナ禍で店を開けられなかったから、みんなの仕事を確保できてよかった。麺とスープのパックを1日2000個はつくった。飯田商店の店頭にもお土産を買いにくる人が行列をつくった。
こうして、本店やイベントだけでなく、自分たちがつくったラーメンを、たくさんの人に食べていただけるようになった。
イギリスでラーメンをつくる
2024年はイギリスに赴き、自分でラーメンをつくって、現地の人たちに食べてもらうことができた。
「世界中のどこに行ってもラーメンをつくれるようになること」が、新たな自分のテーマだったから、オファーを喜んで受けた。6月18日に日本を発ってイギリスへ。翌月の7月2日にはスペインに向かった。
イギリスは、王立のウィンザー競馬場で開催される、ロイヤルウィンザーカップというエリザベス女王が生前に一番大事にしていたPOLOのイベントで、300食分のラーメンを振る舞うという内容だった。
弟子3人と、「飯田商店」から独立して開業している渡邊大介と5人で向かうことになった。
スープは現地で作ることを決意
6月23日が本番だった。正式に話があってから3週間後に出発という慌ただしさだったが、急いで準備を始めた。
スープは日本でつくって冷凍便で送ればいいと言ってくれた。しかし、本来は豚や鶏の畜肉系は絶対に持ち込めない。いろいろ考えて、それはやめた。違反は違反だから。真っ当な道で成功しないと意味がない。
そこで決意して「スープは持っていきません」と伝えた。ただし、麺、醤油だれは植物系だからOKだったので、自分でつくったものを持っていった。麺は、製麺機でつくって瞬間冷凍して、キャリーバッグの中に保冷シートを張り、保冷剤をたくさん入れて運ぶことにした。
すると、渡航前にまた別の話が舞い込んできた。「モシマンズ」というエリザベス女王が愛していた会員制の貴族レストランのシェフが、そのイベントの前日に飯田商店とコラボレーションをしたいという話だった。ロイヤルウィンザーカップを訪れるVIP客のディナーにラーメンを出したいというのだ。

