内蒙古の塩湖でつくられる「かんすい」

ただし、かんすいにもいろいろな種類があって、風味の違いはある。

飯田将太『本物とは何か』(プレジデント社)
飯田将太『本物とは何か』(プレジデント社)

僕が使っているのは、内蒙古の塩湖の塩を原料にした「内モンゴルかんすい じゅん」というもの。「支那そばや」の佐野実さんが輸入して使い始めたかんすいだ。

産地にも行ってきた。現地の空港から車で揺られること8時間。塩の上に工場があるようなところだった。

しょっぱい地面を舐めまくってきた。この塩湖の塩からつくるかんすいだから、リン酸塩などは含まれない。だから安心だ。アンモニアくささがなく、スープにえぐみを出さない。

僕の麺は、このかんすいと、ぬちまーすというミネラルがとくに豊富な沖縄県産の海塩を使っている。この二つを小麦粉に加えることで、コシのある麺になる。

ラーメンの楽しみとは?

飯田商店で使っている「はるゆたか」などの国産小麦は、よくゆでると小麦のでんぷんの甘みが引き立つ。だから、かんすいは重要だ。僕のしなやかで、小麦の風味の豊かな麺は、このかんすいなしでは成り立たない。

僕の考える王道のラーメンとは、スープに鶏ガラと豚の骨を使うこと。麺にかんすいを使うこと。この2つを外してはラーメンの王道とは言えない。これがラーメンの伝統だからだ。

その条件のもと、いかに麺とスープをおいしくしていくか、麺とスープを調和させるか、に心血を注いできた。

一方で、ラーメンの楽しみは麺とスープだけにあるわけではない。チャーシューもあれば、メンマも海苔もある。さらに言えば、ワンタンだってある。この楽しさもラーメンなのだ。