実はいま、わが家の冷蔵庫は運転を止めています。「昔は冷蔵庫なんてなかったわ」とのお年寄りの言葉に、興味が湧いたのです。余計なものを買うと腐らせてしまうので、買うものや量を慎重に考える必要があります。でもそのおかげで、本当に必要なものは何かがはっきりとしたのです。
肉や魚は毎日食べるわけではないので、必要な日に必要な量しか買いません。野菜は意外に常温でも持つことがわかりました。昔ながらの日本家屋なので、ジャガイモは玄関に、タマネギは軒下に吊るして長期保存します。結果、冷蔵庫を使っていたとき以上に、食材を傷ませることもなくなりました。食費とゴミの量が減り、電気代も月1000円ほど節約になって、エネルギーの無駄遣いもしないという好循環が生まれたのです。
これらは専業主婦だからできることなのかもしれませんが、お勤めの方であれば「残ったものはとにかく干す」を実践してみてはいかがでしょうか。使い切れなかった大根は刻んで、晴れた日に会社に行く前、ネットに入れて干しておく。2、3日もすればカラカラに乾いています。国産だと買えば高い切り干し大根が、残り物でできてしまうのです。
人参やごぼう、きのこも干すと保存がききますし、インスタントみそ汁の具としても大活躍。冬は、体を温めてくれるショウガを干して粉末にするのがおすすめです。薬味として汁物に加えるなど重宝するはずです。
省エネ生活研究家
アズマカナコ
1979年生まれ。東京農業大学卒。東京郊外にて築50年超の日本家屋に暮らす。著書に『捨てない贅沢』などがある。
アズマカナコ
1979年生まれ。東京農業大学卒。東京郊外にて築50年超の日本家屋に暮らす。著書に『捨てない贅沢』などがある。
(構成=小澤啓司 撮影=向井渉)