ターゲット層を広げ、使用場面も増やしている
商品の対象となるメインターゲット層も、当初の中高年女性、現在のメインユーザーである20代~30代女性に加え、男性にも広がりを見せている。商品を使用する部位は、目、首、肩、腰、おなか、足など多岐にわたる。商品を使用する時間や場面は、自宅で寝る前、帰宅後すぐの休息中、職場の昼休み、大事な仕事の直前、などと増えている。
近年の使用機会における新たな提案としては、「オフィスめぐりズム」として、めぐりズムをオフィスに置いて体験機会をつくる取り組みや、予備校の京都医塾、大正製薬との企画「合格祈願応援キット」への参加などが挙げられる。
このように、商品を使用する目的、対象、部位、時間・場面のそれぞれの要素を拡張し、それらを組み合わせることで、めぐりズムの提供できる機能的価値を多面的に拡大させる提案が続けられている。そして、そうした提案を受けた消費者が「たしかに便利」「一度使ったら手放せない」と共感・納得することで、新たなニーズの開拓に成功している。
「爽快感の提供」を新たな柱に
めぐりズムは、これまで蒸気による「温かさ」を提供する商品を展開してきたが、2023年には「ひんやりめぐりズムシリーズ」も発売した。従来のアイマスクやシートの他、頭皮用スプレーやローションのタイプも用意され、新たなめぐりズムとして普及が進められてきた。
2025年3月末には「めぐりズム 貼る炭酸シリーズ」を発売。「ジェルパック HEAD&NECK」「ジェルパック FOOT」として、頭・首用と足用を展開する。炭酸をジェルパックに配合しており、メントールなどの成分を配合したシートで爽快感を提案する商品だ。
これまでのめぐりズムは、通年商品とはいえ、「温める」という特性上、秋冬シーズンの利用の方が多かった。そこで、春夏にも利用しやすい爽快感を訴求する商品を加えることで、1年を通じた使い続けやすさの向上が図られている。仲田さんは、「温める商品と爽快感のある商品を2本柱にして、めぐりズムをさらに広げていきたい」と語っている。
めぐりズムは、消費者からの認知度が高く、よく知られているが、蒸気でホットアイマスクの使用率は約30%、使用経験率は約50%に留まっているという。そのため、国内市場の伸びしろは大きい。また、アジアを中心に海外市場への展開も進められており、中国ではキッズタイプの「蒸気でホットアイマスク」も展開している。今後さらなるブランドの成長が見込まれる。