ジョブズが語った思い出「真夜中に帰宅した奥さんに…」

ジョブズが語ったその頃の思い出を、自身が唯一公認した伝記、『スティーブ・ジョブズ』(ウォルター・アイザックソン著)から紹介しよう。

「気づいたら、でき得る限り長い時間をコウブンと一緒に過ごすようになっていた。彼には、スタンフォード大学病院で看護師をしている奥さんと2人の子どもがいてね。奥さんは夜勤だったので、僕は夕方にコウブンを訪ねては遅くまで話し込んだ。で、真夜中に帰宅した奥さんに放り出されるわけだ」(筆者訳。以下同)

京大時代に、西洋哲学との関わりのなかで仏教を研鑽した弘文は、アメリカ人のジョブズにも禅が理解できるように伝える技量を培っていた。たとえば、『般若心経』をテーマにしたある法話ではこんな説法をしている。

(柳田 由紀子/文藝春秋 2025年3月号)
オリジナルサイトで読む