築20年以上なら「1階の床の断熱化」もしておきたい

次に効果があるのが、床の断熱化。床の裏側に断熱材を張ることになりますが、床下に人が潜って作業できる高さなら可能です。これが平均的な住宅の1階全体で25万円ほど。

本当に古い住宅になると、床下に断熱材がまったく入ってない。または、築20年以内なら断熱材は入れてあるけれど、本当に気持ち程度で、気密性が確保できていないという場合が多い。そこで、発砲ウレタンの吹きつけを床下ですることができれば、床を剥がさずに、断熱性と気密性を一気にアップすることができます。

床の断熱は夏の暑さにも効果的ですが、特に冬において、床の断熱化の効果は絶大です。床裏に外の冷たい風が流れているから足元がスースーして、冷えて仕方がないという話になるんですが、これがピタッと止まります。

また、気密性が取れたことで、下から冷気が上がってきにくくなるので部屋全体に暖気が循環し温まりやすくなります。

【図表3】古い木造住宅でもできる効果の高い断熱化と予算

天井の断熱補強、給湯のエコキュート化も外せない

もちろん、天井の断熱補強も同様に行うべきです。こちらも屋根裏、天井の上に人が入れれば可能です。これも冬の防寒にはもちろん、夏の断熱効果が高く、古い家でよく2階に上がると室温がグッと上がって、むっとしますが、そういったこともほとんどなくなります。

そして、台所や浴室の給湯をエコキュート(自然冷媒ヒートポンプ給湯器)に交換することでも、省エネになります。各メーカーから出ているエコキュートは40万円ほどしますが、電気温水器から交換した場合は約7年、プロパンガスから換えた場合は約4年で、光熱費が安くなることで原価を回収できます。

また、昔ながらのタイル張りの浴室はロシアンルーレットだと言いましたが、それをマンションのようなユニットバスに替えることも、ぜひやっていただきたい。ユニットバスにはたくさんのメリットがあり、まず高断熱浴槽なのでお湯が冷めにくい、壁や天井にも断熱材が仕込まれている製品ならば手軽に高断熱化でき、浴槽から洗い場に上がったときの温度差も少ない。工期は短く水漏れはほとんどありません。

バスルーム
写真=iStock.com/mapo
※写真はイメージです

ただ浴室の床がタイル張りになっているような在来浴槽を使ってきた場合は、その下、足下の柱が腐っています。私がこれまでリノベーションしてきた例では100%の家で腐っていたので、そう断言できるのですが、当然、この修理をすることは必要です。