クーデター後の20年間は黄金期だったが…
クーデター直後のフジの20年間は黄金期といっていいほど、熱気にあふれていました。「夢で逢えたら」「たけし・逸見の平成教育委員会」「料理の鉄人」「ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!」「ダウンタウンのごっつええ感じ」など、お笑い第3世代を中心とする番組が若い世代から人気を集め、高視聴率を記録。90年代後半に「SMAP×SMAP」「めちゃ2イケてるッ!」「奇跡体験!アンビリバボー」「発掘!あるある大事典」が、いずれも高視聴率を記録しました。
ドラマは、「東京ラブストーリー」を皮切りに視聴率30%を超えるドラマが1999年までの10年間で12本。さらに「踊る大捜査線」や、アニメでは「ちびまる子ちゃん」「幽☆遊☆白書」「こちら葛飾区亀有公園前派出所」が人気を博しました。2000年代にはいっても、「HERO」「人にやさしく」などSMAPのドラマがいずれも高視聴率を記録し、2004年に日テレを抜き10年ぶりにトップに返り咲きました。
「トリビアの泉」「脳内エステ IQサプリ」「クイズ!ヘキサゴン」「VS嵐」などの新番組が人気を博し、ドラマも、「電車男」「のだめカンタービレ」「プロポーズ大作戦」「ラスト・フレンズ」「花ざかりの君たちへ」「BOSS」と大ヒット。
2004〜2010年まで7年連続で視聴率ナンバーワンでしたが、今は見る影もありません。民放キー局5社の中で第4位がすっかり定位置になってしまっています。直近では、日本テレビが視聴率ナンバーワンで、5年連続です。
凋落させたのは日枝独裁体制
なぜ、こんな状態になったのか。それは日枝久社長がグループ全体の経営権を強め、鹿内家を上回る独裁体制を敷き、イエスマンばかりを登用するだけでなく、昭和な社風や伝統を守り続けようとしたことにあります。例えば、今回の被害女性は女子アナといわれていますが、日枝氏は、河田町時代(1997年から本社をお台場に)から毎年、正月明けに女子アナを引き連れて、社内を練り歩くのが趣味で、面接で好みの女性(女子アナ)を毎年1人選んで入れていたという噂があるくらいの「女子アナ重視」体質でした。