※本稿は、武神健之『未来のキャリアを守る 休職と復職の教科書』(ディスカバー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。
休職中にメールの返信をしてはいけない
私は休職に入った社員との最初の面談では、次の3つのことについて約束をしてもらっています。
会社との連絡はしない
1つ目は会社のメールを見たり、家から自分の会社アカウントにログインしたりしないことです。
仕事を休むと周りに迷惑がかかるのではないか、自分がいないと回らないのではないか等々、心配する人が多くいます。
しかし、休職中にメールを見ていると、結局気持ちが職場から離れることができず、本当の意味での休職にはなりません。メールに返事していると、休職を知らない同僚や取引先は、普通に仕事をしていると思い、いろいろとやり取りが続いてしまいます。これは在宅勤務状態と同じで、休めず、せっかくの休職期間が無駄になります。一方で、ログインやメール返信は「休職者自身が(勝手に)やっていること」になるので、自己責任、自己管理ができていないと捉えられる可能性もあります。
会社支給のスマホやパソコンは、電池が切れたら再充電しないことをおすすめします。自分のスマホで会社のメールが見ることができるアプリが入っている場合、そのアプリの通知設定はオフにして、未読メールの数も表示されないようにすること。そして、そのアプリを第一画面から後ろのほうに動かし、目に入らなくすることは心の安らぎにとても大切です。
そのようなことをしたら業務が回らなくなり皆に迷惑かかるのではないか、と思われるかもしれません。しかし、はっきり言って、その心配は不要です。
職場の同僚からLINEで連絡が来たら…
最初の2週間は多少の混乱があるかもしれませんが、いずれ落ち着きます。これが落ち着かなくてビジネスに影響が出るとしたら、それはあなたの責任ではなく、事業継続性がなっていない会社組織の問題・責任ですから気にしないでいいでしょう。
人事にはあなたのプライベートEメールアドレスを伝えて、休職に関するやり取りはそれでお願いするようにしましょう。
すでに職場の同僚たちとLINEやSNSの交換をしている場合、そちらから直接連絡が来てしまうこともあります。業務連絡が来た場合は、具合の良いときに「すみません。業務連絡等についてはこちらではやめてください。必要な場合は人事にお伝えください」と返事しましょう。その後も来る場合は、見なくて問題ない(返事しなくても結構)です。
業務連絡ではなくて、友人として、同僚として心配するメッセージが来た場合は、具合が良ければ返事をしていいと思います。しかし、多くの休職者には返事をすることすら負担ですので無理して返事せず、既読スルーにするかもしくは「心配してくれてありがとうございます。私の方から連絡できるようになったら連絡しますのでそのときまでは返事がないことをお許しください」「連絡を控えていただけると幸いです」と伝えましょう。