蔦重と義理の兄貴。おしんと加代

蔦重の育ての親は、吉原の引き手茶屋――お客に遊女を引き合わせる店――の駿河屋。演じるのは高橋克実さんで、その実の子の次郎兵衛が中村蒼さん。蔦重の義理のお兄さんです。

松村邦洋『松村邦洋懲りずに「べらぼう」を語る』(プレジデント社)
松村邦洋『松村邦洋懲りずに「べらぼう」を語る』(プレジデント社)

放蕩息子の次郎兵衛と蔦重、何かと揉めそうですね。駿河屋は蔦重よりも出来の悪い我が子のほうがかわいくて……とか。伝説の朝ドラ『おしん』(1983年~1984年)でも、おしんが奉公した加賀屋の娘・加代は、あまり芳しくない人生を送りました。

加賀屋の女将に勉強を教わったおしんは成功しますが、一方の加代はいたずらやいじめばっかり。「なぜ、おしんばっかり」って、なんか最後はかわいそうな感じもしました。

リアル世界の蔦重は吉原の広報・宣伝マンでもありました。ドラマでは悲惨な遊女たちの有り様を訴えた蔦重が意次に「お前は何かしているのか」と一喝されましたが、メディア王・蔦重の原動力も、遊女たちを含めた吉原の人たち一切合切を「オレが何とかする」という思いだったのかも知れませんね。