映画『吉原炎上』から三十数年ぶりに…

最高位の花魁にのし上がれる遊女はごく一握り。あとはピラミッド型のランクのどこかに当たります。その一番下の行き場のない貧しい遊女たちは、河岸見世かしみせと呼ばれる女郎屋にいて、吉原の四方を囲む「お歯黒どぶ」の側に立って客を取ります。

初回にいきなり死んだ裸体をさらす熱演で視聴者をびっくりさせた吉高寧々さん、藤かんなさん、与田りんさんが演じたのは、そうした遊女たちです。

彼女たちのよりどころとなる二文字屋という妓楼の女将・きくが、かたせ梨乃さん。日テレ『11PM』(1965年~1990年)のカバーガールをされてたくらいで、スタイルがすごい。吉原の遊女たちを初めて本格的に取り上げた映画と言われた五社英雄監督『吉原炎上』(1987年)では、夫を寝取られて身を落とした河岸見世の長屋女郎でした。『べらぼう』出演を受けて、「私の中で眠っていた吉原の色と匂いが蘇りました」とコメントされてます。

『べらぼう』と映画『写楽』に両方出ているロッペイさん

六平直政さん、ボクらはロッペイさんって呼んでますが、ロッペイさんは蔦重を小さい頃から見守っていた吉原の蕎麦屋の主・半次郎。野暮を嫌う江戸っ子らしい役柄ですね。蔦重は蕎麦を食べながら、半次郎に色々相談する。なんかいい関係なんですね。

ロッペイさん、同じ時代を描いた篠田正浩監督の映画『写楽』(1995年)にも出ておられるんです。歌舞伎作者の鶴屋南北役。主役の斎藤十郎兵衛――実は謎の天才浮世絵師・東洲斎写楽を、『SHOGUN』(2023年)で今や世界的スターの真田広之さんが演じました。

先日、ロッペイさんから電話がかかってきたので、「『写楽』見ましたよ」と言ったら、「ああ、ずいぶん前だなぁ」って。「どじょうの店に行くけど、食べに来るか」て誘っていただいたんですけど、都合で行けなくて……。「今度は前もって言うよ」と言ってくださいました。

松村邦洋さん
撮影=河内 彩