箱根予選会と全日本大学駅伝で好結果

その後の10月19日に箱根駅伝予選会、11月3日に全日本大学駅伝は過密スケジュールになり、どんな大学でも全日本で結果を残すのは難しい。例えば、厚い選手層を誇る中央大は箱根予選会で主力数人を温存して全日本大学駅伝で上位を目指したが、箱根予選会は6位通過したものの、全日本は12位に終わっている。

そのなかで離れ業を見せたのが立大だ。箱根予選会は堂々の1位通過。初出場という目標を果たした全日本大学駅伝は7位で、シード権を獲得したのだ。

立大がパートナー契約する「プーマ」のイベントで
写真提供=プーマ ジャパン
立大がパートナー契約する「プーマ」のイベントで

なぜこれだけの結果を残せたのか。

「全日本大学駅伝の出場を決めた時点で、箱根予選会の2週間後に全日本大学駅伝があるのはわかっていました。まずは『タフなスケジュールになるよ』ということを選手たちにはしっかり認識をさせました。箱根予選会が終わって、『良かった』ではなく、『2週間後に全日本だぞ』というメンタル的な部分です。そこはしつこく言っていたと思います。それ以外の準備や対応は正直そんなに大それたことはやっていません」

髙林監督はメンタル面を強調したが、今季の立大はスピード型のチームにスタミナがつき、それが結果に表れているのは間違いないだろう。就任1年目でこれだけうまくチームを強くできた理由はどこにあるのか。その答えが秀逸だった。

「私としては本当にでき過ぎなぐらいですよ。とにかく必死でやってきましたが、まだまだうまくいっていないところもたくさんあります。特に痛感したのは『人を育てる』のは簡単なことではないということです。陸上の世界に戻るまで、私はトヨタで人事の仕事をしていました。人材育成をしても、その効果が出るのは3年後とか5年後なんですよ。だから最初は良くても、悪くても、結果的に3年後、5年後を見るのがマネジメントする側の考え方だと教わってきました。だから、まだ本当に強くなっているのかどうかもわかりません」

監督自身の手ごたえはまだそれほどないのに、結果がついてくる。しかも、本格的な効果が出るのは3~5年後ということは、立大は、今後はずっと伸びしろということかもしれない。