脳1つに「3体」生物がいる

脳は、進化という観点でいえば、3つの層で成り立っている。そして、この3つはアルコールとストレスの影響を受けやすい。

例に挙げたディナーパーティでは、3つの層の状態がはっきり表れていた。ピェテルは3つのふるまいと、3つのコミュニケーション・モードを示していた。

レーナ・スコーグホルム、御舩由美子訳『あいては人か 話が通じないときワニかもしれません』(サンマーク出版)
レーナ・スコーグホルム著、御舩由美子訳『あいては人か 話が通じないときワニかもしれません』(サンマーク出版)

私たちがどんな言動をとるかは、そのときに脳のどの層が使われているかで決まる。いってみれば、頭のなかには3つのコミュニケーション部門があるのだ。

心理学者のヤン・サンドグレンは、著書『ピラミッドを広げよう Sprid pyramiderna』(未邦訳)のなかで、この3つのコミュニケーション部門について書いている。これは、ポール・マクリーンが提唱した脳の3つの層と同じだ。つまり、「脳幹(爬虫類脳)」「辺縁系(ほ乳類脳)」「新皮質と前頭前皮質(大脳皮質と前頭葉)」だ。

本書は、このサンドグレンの説にヒントを得て、脳の各層の働きを解説する。脳の仕組みをイメージしやすくなり、日常生活において脳がどのように働いているか、よくわかるはずだ。(つづく)

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