行列に並ぶ人たちの正体
さて、前置きが長くなったが本題に入るとする。東急デパートの初売りは1月3日。開店は朝10時である。かの福袋のために毎年徹夜組も出るらしく、当日開店直前店外にまで伸びた長蛇の列状態はよくニュースで取り上げられたりする。
暮れのうちに問い合わせてみると、福袋は8Fレストラン街内特設会場にて1万円200個、5000円1000個限定で売り出されるそうだ。整理券を出すが、列から離れてはいけない、とのこと。考えた末、ま、別に買うために行くんじゃないし、ということで開店1時間前の朝9時に到着してみることにした。
当日、予定通り到着。「ただ今、列の最後尾はこちらでございます」というプラカードを持った店員がいる。そして、店員の立つ出入口に、ぽつぽつと人が入っていっている。まだ店の外まで人は溢れてはいないが、「福袋」に夢を託す人たちは間違いなくあそこにいる。私も何故か小走りになりながら行列の人となるべく、列へ向った。
非常階段らしいところに行列はできていた。最後尾は1階と2階の間の踊り場にあり、3列縦隊の太い列はどこまで上へ伸びているのか、もちろん先頭など気配すら見えない。とりあえず列のうしろについて周囲の話に聞き耳を立てる。
1万円の福袋を買ってみた
行列の人たちは、家族連れや親子連れ、中年女性同士の2、3人のグループが多いようだ。年寄り1人というのもちらほら。
私の前には、母親(40代)・娘(中学生)・母親の友人という3人組がいて、私のすぐあとに列に加わった40代主婦(単独)と「福袋」話に花を咲かせはじめた。単独主婦は福袋マニアらしく、なかなかの事情通であった。「この列は6階から並んでいるらしい」というレアな情報から、昨年の東急の福袋の話、前日(1月2日)の西武デパート初売りでの西武の福袋の話など耳より情報満載である。そして、そんな事情通に言わせても、「やっぱり福袋は東急」、らしい。
じっと並んでいるしかないわけだが、その主婦のおかげでさほど退屈せずにすんだ。いつのまにか列は伸び、最後尾はもう建物の外へ出ている。取材のためのテレビ局のクルーが2組ほど行列わきの階段を何度か行き来していた。
9時半をまわったところで、整理券配布係が姿を現す。「5000円か1万円、お一人様どちらか一つ」とのこと。6階からの列ときいた時はあきらめかけた購入であるが、買えるんだったらひとつ買ってみようと1万円(の方が射幸性が高いらしいので)の整理券をもらう。
まわりの様子では5000円・3に対して1万円・1ぐらいの売れゆきと見た。しかし限定200個の1万円袋がよく残ってたなと思ってもらった整理券を見ると、どうゆうわけか「466番」のナンバリングが。どうゆうことだ。これはいまだに謎である。