紙は評判も悪くコストもかかる
そもそも、「紙ストローの廃止」は時代の流れに逆行しているようにも見えるのだが、どうしてこのような判断がなされたのだろうか?
スターバックスに限らず、紙ストローは利用者から評判がよくなかった。実際、導入直後から、SNSには下記の声が見られていた。
・プラスチックストローと比べておいしくないように感じる
・時間が経つとふやけてしまう
・環境負荷の軽減にどのくらい有効か疑問
筆者もスターバックスやマクドナルドを利用して、同様の感想を抱いていた。企業側にしても、紙はプラスチックよりコスト増につながるというデメリットがある。そうしたことを考え合わせると、紙ストロー廃止は、妥当な流れと言えるだろう。
「環境意識の高いスタバを使う私」に受け入れられなかった
これまで、スターバックスは環境対策だけでなく、SDGsの流れに沿って、多くの社会的な取り組みを行ってきた。
・フードロス削減のための時間限定割引の導入
・マイボトル・タンブラー割引の導入
・環境に配慮した店舗づくり
・多様な人材の受け入れと尊重
・フェアトレードへの取り組み
etc.
・マイボトル・タンブラー割引の導入
・環境に配慮した店舗づくり
・多様な人材の受け入れと尊重
・フェアトレードへの取り組み
etc.
こうした取り組みの多くは利用者にも受け入れられているし、「社会貢献に積極的な企業」として、スターバックスのブランド価値の向上にも大きく貢献している。また、これが実現できているのは、意識の高い顧客の存在がある。スターバックスの顧客は、店内でPCを広げて仕事をしたり勉強をしたりしている人が目立つが、向上心だけでなく、環境意識も高い傾向がある(最近はその傾向は弱まっている感もあるが)。
スターバックスが実施している社会的取り組みは、「スターバックスを利用している私は環境意識が高い」という顧客の社会的価値に転換することによって受容されてきたとも言えるが、紙ストローに限っては、そうとも言えなかったようだ。
利用者は、自分たちが得ている便益を捨ててまで、プラスチックごみ削減に貢献したいとまでは考えていなかったのだ。