103万円は正直大した壁ではない
このパート収入が100万円を超えると、住民税がかかってきます。さらに週20時間以上働くと雇用保険に入る必要が出てきます。
収入103万円の場合、この住民税や雇用保険料を差し引くと、手取りは113万円となり、手取り率は110%に下がります。
年収が103万円をわずかでも超えると、今度は所得税が発生します。年収104万円として計算すると、手取りは114万円で手取り率110%です。
これが「103万円の壁」のわけですが、この段階では手取り率が1%下がるだけで、大きな問題はないでしょう。問題はこの先です。
手取りが一気に減る「106万円の壁」
パートによる年収が106万円になると、パート先の従業員が50人を超えている場合は、夫の社会保険の扶養から外れ、勤め先の社会保険に強制加入になります。それにより手取りが100万円に減ってしまいます。このときの手取り率が94%です。
つまり、勤め先の社会保険への強制加入により、手取り率にして一気に16%ぐらいダウンしてしまうわけです。これが「106万円の壁」です。
もちろん、メリットもあります。社会保険加入で手取り額が減る一方、将来の年金は増え、傷病手当金や障害厚生年金をもらえる資格もできます。
ただ、手取り額が1年で15万8000円ほど減るのに対し、将来もらえる年金は年間たったの5788円です。払った年金の元を取るには28年間かかる計算になります。
当然「これってどうなんだろう?」と思う人が多く、みなさん106万円の壁を超えないよう、仕事を休んで調整しているのが現実です。