大掃除がきっかけでお金が貯まるようになる

前に挙げた3つのものが溜まっている家は、その代わりにお金が消えていく家だ。

「なぜ買ったのか」「なぜ使わないのか」「なぜ処分できないのか」を真剣に考えることで、ムダな消費が徐々に減って、家もすっきり片付き始めるはずだ。家じゅうがすっきりすると、お金への意識も変化してくる。自然に支出が減って、お金が貯まり始める。その理由を挙げてみよう。

・二重買いやムダ買いが減る

不要な洋服を処分した後のクローゼットは、服の数が減って見通しが良くなっているはずだ。ぎっしり詰まっていた頃は、中にどんな服があるかわからずに、すでに持っているものと似たような服を買ってしまうことも多かった。

パッと見て、自分の持っているものが把握できれば、そうした無駄買いを減らすことができる。家の中にモノが多いほど管理が難しくなるもの。結果的に必要でないものまでうっかり買ってしまう。把握できる量や数にとどめておけば、本当に必要なものが分かり、それだけ買うようになるので、おのずとムダな支出は減る。収納スペースは八分目、をなるべくキープしよう。

二人の小さな女の子が窓を掃除
写真=iStock.com/visualspace
※写真はイメージです

なぜものを減らすべきなのか

・モノを買うことに慎重になる

所有品の整理・片づけをすることが、自分のお金の使い方を振り返るきっかけになるとは先に書いた通り。どんな時にどんな理由で買ってしまうのか、いわば自分の買い癖や弱点が分かってくれば、同じ失敗を繰り返さないように慎重になる。衝動買いは減り、買うべきか買わないほうがいいか、じっくり検討してから判断するようになる。大幅にモノが減れば、そのスッキリを維持したくなり、モノを増やそうとしなくなる効果も期待できる。

どんなものでも一度保有したモノを手放すのは惜しい、もったいないと思うのが人間のさがだ。だからこそ捨てることは悩ましい。おまけにゴミの日やら分別やらと手間と時間がかかる。すっきり片付いた家を見るたびに、その大変さを思い出すとさらに買わなくて済むだろう。

・価値のあるモノを買うようになる

お金への意識が高まると、新しくモノを買う時の基準も変わってくる。使い捨ての商品ではなく、長く使い続けられる高品質のモノや、使わなくなってリサイクルショップに持ち込んでも価値が落ちにくいモノ、将来資産になるようなブランドを選ぶようになってくる。お金持ちが購入する基準は、その金額を出すだけの価値が伴っているか、その価値は今後どの程度下がるのか等、今だけでなく先のことまでじっくり考えるもの。ハイブランド品や高級品でなくても、中古市場で一定の金額になるものを選べば、払ったお金の一部は取り戻せる。いわば、モノで貯蓄している状態だ。その視点を持てば、使い捨てではないモノの買い方が身につくようになる。