再就職先が決まらずに定年退職すれば、ハローワークに求職の申し込みをすることになる。同時に、失業給付をもらう手続きもする。その際に、身分証明書、顔写真、印鑑などとともに「雇用保険被保険者証」と「離職票」は手続きに必要となる。必ずチェックしておくことだ。

健康保険の手続きも忘れない。在職中の健康保険証は、退職時に会社に返さなければならない。継続雇用の場合は、健康保険もそのまま継続となるケースが多いが、これも会社に確認しておきたい。

そのほかの選択では2つある。1つは自分の子供など、すでに働いている家族の扶養に入る方法だ。病院での自己負担は3割となるが、年金などを含めて年収180万円未満であれば、健康保険料は不要となる。手続きは、家族の勤務先を通じて健康保険組合か社会保険事務所に申請する。

2つ目は、国民健康保険への加入。保険料は前年度の所得に応じて決まる。厚生年金加入期間が20年以上ならば、「退職被保険者」となり、病院での自己負担は2割負担ですむ。退職後、2週間以内に住所地の役所に申請する。

次に税金だ。

退職金を受け取ると、原則として翌年に確定申告の手続きが必要になるが、退職金を受け取る際に、「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先に提出した場合は、その必要はない。ただし、退職時までの給与から引かれた所得税の還付を受けられる場合が多いので、確定申告はしておきたい。

「退職所得の受給に関する申告書」を提出しなかった場合、退職金の20%が源泉徴収される。このケースでは、確定申告をして、払いすぎた税金を返してもらおう。また、住民税は前年の収入に基づいて課税されるので、定年退職した後の税額には注意したい。