ロバート秋山っぽい特別な距離感
8位 近所に住んでたら安泰、自然体おばけ サーヤ(ラランド)
前述の女優と勘違いしたというのが彼女だ。叱咤も激励もしない、何があっても通常運転でいてくれるフラットな友達役にぴったり。
「完全に詰んだイチ子はもうカリスマになるしかないの」(テレ東)で主人公(深川麻衣)の親友・ヨッピ役、「最高の教師」(日テレ)では主人公(松岡茉優)の親友・夏穂役。どちらも物言いはストレートで一切遠慮なしだが、心の距離が近い存在を自然体で演じていた。
7位 ウザキャラを土台に進化し続ける予感 丸山礼
「警視庁捜査一課長」(テレ朝)の1話ゲスト出演に始まって、あっという間に「ワタシってサバサバしてるから」(NHK)で主演を務めた。俯瞰してみると、ウザいキャラクターが得意。
「くるり」(TBS)では記憶喪失になった主人公の隣人で、何かと世話を焼いてくれる役がハマった。感覚的には、ロバート秋山っぽい距離の近さがあり、特殊な距離感をベースに役者として進化し続けるのではないか。
独特な持ち味を生かすトリッキーさ(ランク外)
さて、思いっきり横道にそれよう。手練れというよりはトリッキーな役回りを得意とする女性芸人をまとめてみる。
番外編① 物憂げな仏頂面クイーン 清水ミチコ
モノマネ芸人は劇中のスパイスとしては強烈なのだが、モノマネではないキャラクターづくりも秀逸。武道館のライブであごはずれるほど笑った記憶が。
数多ある作品から2つ選ぶとすれば、キーワードは仏頂面。「家族八景」(TBS系)で演じた大家族でズボラな母の役。そして大河「真田丸」で演じたのは豊臣秀吉の妹・旭。ただ黙るだけではない、仏頂面の奥深さを教えてくれる名演だった。
番外編② CG合成のような特異なキャラクター性 竹原芳子(旧芸名・どんぐり)
落語家としても活動する彼女が一躍有名になったのは、映画『カメラを止めるな!』のプロデューサー役。鉛筆一筆書きのようなルックスは無二、キャラがかぶる女優も不在で引っ張りだこに。
彼女の面白さをたっぷりと味わえたのは「ルパンの娘」シリーズ(フジ)である。泥棒一家で鍵師の祖母役だが、孫や息子のピンチも救う。横浜メリーさんコスプレは彼女ならではの渾身の一撃で抱腹絶倒だった。