自信満々の商品が、衝撃の買取価格

そこで私は早速、家の中をひっくり返し、何か売れそうなものはないかと探しました。そして、服やカバン、食器やタオル、諸々の雑貨と、もう使うことはないだろうと思えるものは片っ端から、近所のリサイクルショップへ持ち込んだのでした。

そこで気付いたのが、「これは少なくとも1000円で売れるだろう」と思っていたものが100円だったり、「これはせいぜい100円だろう」と思っていたものが1000円だったりと、実際の買取価格は、自分の予想とかなり食い違うことでした。

これには、自分の鑑定眼のなさにうなだれつつも、予想外の値段が付くことがゲームのようで面白く、ますますリサイクルショップにのめり込むのでした。そして、リサイクルショップの利用にもかなり慣れた段階で、私は真打登場とばかりに、とっておきの商品を売りに行ったのでした。

リサイクルショップの入り口
写真=iStock.com/y-studio
※写真はイメージです

それは、8万円程で購入した、そこそこ高級な椅子。

ただ、ちょっと変わったデザインで、私のお尻には合わずにほとんど使わずじまい。そして今後も使わないであろう、残念な椅子でもありました。

とはいえ、元は8万円もしたのだから、1万円くらいで売れるのでは、と大いに期待をしながら、密かに売り時を伺っていたのでした。しかし、提示された買取価格は500円と、これには大きなショックを受けました。

買取価格のポイントは、「(すぐに)売れるかどうか」

そこでようやく気付いたのは、買取価格には、その商品の定価(もしくは自身の購入価格)はあまり関係ない、ということでした。すなわち、買取価格のポイントは、ショップ側から見て「(すぐに)売れるかどうか」、すなわち、需要があるかどうか、ということでした。

ショップ側としては、いくら安い値段で買取っても、それが売れないことには売り上げは0円です。

しかも、その売れない商品のための保管・管理といった維持費がかかりますし、また、その売れない商品を陳列することで、他の商品を陳列できないという機会損失を考慮すれば、相当な損失でしょう。

売れないと判断すれば、そもそも買取ってもくれないのも、納得ですよね。逆に、すぐに売れると判断した商品であれば、買取った時点でほぼ利益が見込めるわけですから、高値買取にも納得なわけです。

私は当初、その理屈をあまり考えずに、持ち込んだ商品の定価(もしくは自身の購入価格)を基準に、買取価格を予想していたわけですから、予想買取価格と実際の買取価格が食い違うのは、当然と言えば当然のことだったわけです。