罰則がなくても、自転車保険には加入すべき

自転車保険は「要る」 OR 「要らない」
日々の暮らしの中でよく利用するのが自転車です。1億円近い賠償額の事故が起こったこともあり、保険加入の義務化が進んでいます。

自転車に乗った小学5年生が歩行中の女性(62歳)と正面衝突。女性は意識不明の重体に。2013年に判決が下されたこの自転車事故の賠償額は9521万円にものぼりました。

他にも自転車事故の高額判決の例を見ると、賠償額が数千万円を超えているケースも散見されます。自転車とはいえ、時速20キロや30キロで生身の人間にぶつかれば、後遺症の残る大ケガになったり、最悪亡くなってしまったりすることもあるのです。

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近年、そのような自転車事故の加害者や被害者の経済的な負担をカバーする「自転車保険」の加入の義務付けが全国の自治体で広まっています。23年4月時点では、32の都府県で加入が義務付けられていて、10の道県で努力義務化されています。

今のところ「自転車保険」の未加入者への罰則はないようですが、日頃から自転車に乗る機会がある人や、子供が自転車に乗っている人は、いつ自分や子供が加害者になってもおかしくないので、きちんと加入しておくべきでしょう。

ただし、必ずしも「自転車保険」という名前の保険に加入しなければならないわけではありません。自転車保険の代わりになる商品がありますので、次のいずれかに加入しておくのもいいでしょう。

チャイルドシート付き自転車
写真=iStock.com/Tatomm
※写真はイメージです

「自転車保険の代わり」になる3つの商品

個人賠償責任保険

個人賠償責任保険は、日常生活で他人にケガをさせたり、他人の物を壊したりした場合の賠償責任をカバーする保険です。

この保険に加入していれば、自転車事故で他人にケガをさせた場合でも補償が受けられます。火災保険や自動車保険の特約として付けることも可能です。また、同一生計の家族全員を補償しますので、家族の誰かが加入していればOKです。

自動車保険の特約

自動車保険は、自転車事故を補償する特約を付けることができる場合があります。加害者になってしまった場合の「個人賠償責任特約」だけでなく、被害者になってしまった場合の相手方への損害賠償請求を弁護士に委任するための「弁護士費用特約」なども付けられるのが一般的です。

火災保険の特約

住宅のために加入する火災保険にも、「個人賠償責任特約」を付けられる場合があります。

クレジットカードの付帯保険

一部のクレジットカードには、カードの利用者の自転車事故を含む日常生活での賠償責任やケガをカバーする保険が付いていることがあります。契約しているカード会社に確認してみましょう。

(正直FP 菱田雅生)

【一言まとめ】
自転車に乗るなら自転車保険に加入を! 個人賠償責任保険は家族の誰か1人が入ればOK。
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