事実を矮小化する「副反応」という言葉

23年6月、有志医師、研究者らと「一般社団法人 ワクチン問題研究会」を設立して「代表」として記者会見などで、世界のワクチン健康被害の実態を発信するとともに、日本政府に対して、ワクチン接種による被害者の速やかな全面救済と全例調査等々を求めている。そんな福島教授が今最も世に伝えたいのが、「副反応という言葉に惑わされるな」ということだという。

「副反応と聞くと、接種後に注射した部分の痛みのように深刻ではないイメージを与えるでしょ。だから“副反応で死亡”と言っていれば、本来は安全なのに亡くなった人は運悪く死んでしまったみたいに矮小化できてしまう。これは医療に携わる者として見過ごせない悪質極まりない虚偽、欺瞞、です。そもそも、コロナワクチンの有害事象はアメリカでも世界中でもすべて副作用(Side effect)と呼んでますよ」(福島教授)

例えば、「ICH(International Council for Harmonisation of Technical Requirements for Pharmaceuticals for Human Use)という国際会議がある。このICHには日本で医薬品などの健康被害の救済、承認審査、安全対策を行う独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)も参加しており、ホームページではこんな説明をしている。

「医薬品規制当局と製薬業界の代表者が協働して、医薬品規制に関するガイドラインを科学的・技術的な観点から作成する国際会議で、他に類がない場」(PMDAホームページより)

マスコミや医師まで「副反応」と呼んでいる

そんな世界の医薬品規制の知見が集まるICHのガイドラインには、「副作用の定義」についてこう記されている。

「有害事象が自発的に報告された場合は、たとえ因果関係について不明又は明確に述べられていなくても、規制当局への報告目的からすれば、副作用の定義を満たすことになる」

承認後の安全性情報の取扱い:緊急報告のための用語の定義と報告の基準について

当たり前の話だが、厚労省に報告されている健康被害や死亡事例というのは、ワクチン接種した翌日などに容態が悪化した患者を実際に診察した医師が「これってワクチン接種と関係があるんじゃないの?」という疑念が拭えず、自発的な報告をしたものだ。

つまり、ICHのガイドラインに照らし合わせれば「副作用」なのだ。しかし、日本ではマスコミや医師の中にも頑なにこのようなケースでも「副反応」と呼ぶ人がいる。

その結果、「ワクチンによって引き起こされたもの」というより「人間側の何かによって引き起こされたもの」という印象を与えてしまっているのだ。