都知事選で蓮舫氏が敗れたことで、「立憲共産党」批判が再び巻き起こっている。ジャーナリストの尾中香尚里さんは「野党第1党として蓮舫氏を候補者に立てた以上、敗戦の全責任は立憲民主党にある。共産党や連合のせいにしていては、野党第1党の求心力はまた失われてしまう」という――。

蓮舫3位で「立憲惨敗」をあおる人たちが大量に現れた

東京都知事選(7日投開票)で小池百合子知事が3選を果たす一方、立憲民主党の参院議員だった蓮舫氏が3位に沈み、立憲の選挙戦略に対して批判の嵐が吹き荒れている。

筆者はこの流れにはすごく既視感がある。3年前、2021年秋の衆院選だ。公示前議席を割り込んだ立憲に、外野が「惨敗」ムードをあおり、敗因として「共産党との『共闘』が悪い」「批判ばかりの姿勢が悪い」と、たいした検証もないまま延々騒ぎ続けたあの現象が、都知事選で再現されているのだ。ここ半年ほどの立憲上昇ムードで見えにくくなっていたこれらの声が、都知事選で一気に発散された。

つくづくばかばかしい。立憲はこうした外野の声にまともに耳を傾けすぎて、22年の参院選で本当に惨敗してしまった愚を繰り返さないよう注意すべきだ。

都知事選の敗因は「決定的な準備不足」に尽きる。立憲民主党単独の問題ではない。いわゆる民主党勢力がこの四半世紀、都知事選を「投げてきた」ツケが回ってきたということだ。

ただ、蓮舫氏がそれを覚悟で、リスクを取って出馬したことは、筆者は高く評価している。これでやっと、野党第1党が「都知事選を主体的に戦う」スタートラインに立ったと思うからだ。