27分で5万台、24時間で8.9万台が売れた「SU7」
格安スマホメーカーとして知られるシャオミ(小米)の初のEVセダン「SU7」が好調だ。3月28日の販売初日、予約開始後わずか27分で予定台数の5万台、24時間で8.9万台の予約が入った。鮮烈なデビューを飾った。
その後の販売・生産も順調に推移している。6月1日に深センで開催された「2024年未来汽車先行者大会」で、創業者の雷軍会長兼CEOは「5月末時点までに8万台超の受注を獲得し、既に約1万5000台を納車している。6月から月1万台の生産を実現し、2024年は10万台の納車を目指している」と明らかにした。また、「女性消費者による注文が全体の3割強で今後さらに上昇」と言及し、女性にも人気のあるクルマと説明した。
「SU7」は、米テスラのセダン「モデル3」を手本にして開発された。雷軍氏は3月28日に北京で開いた新車発表会で、モデル3などと比較し、電力消費や自動運転技術を除くほぼすべての性能でSU7が上回ると力説している。
基本モデルの販売価格は21万5900元(約467万円、6月12日現在のレートで算出)で、テスラ・モデル3の24万5900元(約532万円)より安い。標準モデルのフル充電時の航続距離は、中国独自のCLTCモードで約700kmとなる。
また、「SU7」の最上位モデル「SU7 MAX」は、航続距離が800km。販売価格は29万9900元(約649万円)で、雷軍氏は独ポルシェのEVスポーツカー「タイカン」より航続距離が長いと性能をアピールしている。
シャオミは、2010年創業。日本では「スマホメーカー」として知られているが、炊飯器やロボット掃除機、空気清浄機などの生活家電も手掛けてきた。中国には、それらすべてをシャオミ製品でそろえる熱狂的なファン(ミーファン:米粉)がいる。なぜシャオミは中国の人たちに支持されるのだろうか。