ありとあらゆる家電のDIY修理が可能となる
ご承知の通り、持続可能な開発目標のSDGsが重視される時代である。廃棄物を減らすなど、地球環境にも優しい目標を満たす生産、消費活動が求められている。
「当然、日本のメーカーもSDGsについて真剣に考えています。パナソニックやソニーなどは海外販売比率が高いので、欧米のように日本でも『修理する権利』の話が出てきたときに備えて準備をしているはずです。現状、日本は対応が遅れていますが、消費者の意識が高まればメーカーも対応するでしょう」(得平さん)
冒頭で触れた欧州での「修理する権利」の対象は、家庭用洗濯・乾燥機、調理家電、家庭用食洗器、家庭用冷蔵・冷凍庫、掃除機、オーディオ機器、テレビなどの電子ディスプレー、コンピュータ・コンピュータサーバー、携帯電話・タブレット機器、溶接器具など。日本メーカーも現地で対象製品を販売する際は対応が必要になる。
欧米の潮流は、近いうちに日本にも来るのは必至だ。
高品質で故障が少ない国内製品に慣れてきた日本の消費者だが、とりわけスマホは海外メーカー製が多くなっており、バッテリー交換など修理費は安くない。それが手ごろな料金になってくれば、新品の高価なスマホに買い替えるのでなく、修理して長く使う人が増えてくるとみられる。日本の消費者が「修理する権利」に目覚めれば、懐にも優しく、廃棄物も削減できる好循環につながるかもしれない。