履歴書でわかる自分の市場価値

現在の日本の多くの会社員は、自分がする仕事については、ほとんど会社任せで、自分の意欲や希望を表に出すことを極力控えていることが多いようです。そして、このような姿勢を「忠誠心の証し」と受け止め、高く評価する向きもないではないようです。

しかし、私なら、この様な姿勢は「積極性の欠如」と受け止めます。

現在の日本人の多くにみられる「言い訳症候群」または「何でも人のせいにする症候群」とも呼ぶべき傾向は、このような姿勢と表裏一体のものではないかとさえ、私は思うのです。

その意味で、たとえあなたに、今勤めている会社を突然クビになる可能性など全く考えられず、また自ら「転職」を考えるつもりも毛頭なかったとして、このような「履歴書」を書いてみて、毎年それを少しずつ書き足しながら、自分自身と「自分の仕事」との関係を見つめ直してみることは、あなた自身にとって極めて大切なことだと、私は思います。

そうしてみると、「とどのつまり、自分はナンボのものか」がよくわかるでしょう。

履歴書と想像の面接で未来を開く

こうして自分の履歴書を書いて、それをじっくり見つめていると、「今の職場はオレ様がいなくちゃあ回らないよな(だからオレ様はもっと高く売れてもいいよな)」と自信を深めることも、場合によってあるかもしれませんが、大抵は少しがっかりするケースの方が多いのではないでしょうか?

しかし、それを機会に、その「思った程たいしたものではなかった自分の価値」を、これからどうすればもっと高めることができるかを考えることになれば、それは素晴らしい進歩だと思います。

要言すれば、これまで「転職」などということを考えたこともなく、これからもそんなことはないだろうと考えている人であっても、無理にでもその可能性を考えて、先に申し上げたようなスタイルの「履歴書」を書いてみて、頭の中で面接の様子も想像してみることを、私は皆さんに是非お勧めしたいと思います。

それがきっかけになって、思わぬ未来が開けることも、あるいはあるかもしれないからです。

広々としたオフィス空間で手を広げるビジネスマン
写真=iStock.com/JohnnyGreig
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